<20日(日) ソルトレイクシティ>
 デンバー08:05発のカリフォルニア・ゼファー5号に乗る予定であったが、2 時間の遅れを告げられる。結局、同駅を出発したのは、10:30であった。

 この日は、AMTRAK旅行のハイライトの一つである、ロッキー越えである。 列車はゆっくり、ゆっくり、蛇行を繰り返しながら徐々に高度を上げる。雪 に手が届くところまで列車で登れるのかと思っていたが、途中でトンネルに次ぐトンネルで 、残念ながら雪の中の走行という感じはなかった。しかし、展望車 の窓から遠望する冠雪の山々の景観におもわず息をのんだ。 

蛇行を繰り返す列車


ロッキーとウエスタン音楽
 

車窓から眺めるロッキー山脈の山々

 眺望を楽しんでいる最中、ソルトレイクシティ駅への到着は2時間遅れとなるとのアナウンスを聞いて、ホテルの予 約が取り消されてしまわないかと青くなる。
 前席のお嬢さんが携帯電話を持っていたので、ホテルに列車延着のため、チ ェックインが遅れることを知らせてもらう。快く電話を掛けてくれたことに 感謝。旅人に優しいのがアメリカ人らしい。

 結局、遅れは取り戻せず、 深夜の01:15着となった。深夜のタクシーで ホテルHoliday Innにたどり着き、ベッドに横になったのは、午 前2時半を過ぎていた。

<21日(月) 車中>
 朝9時ごろ起床。雨模様のためか薄ら寒い。朝食をたっぷりと取り、朝昼兼 用とする。ソルトレイクシティは、冬季オリンピックが開催されたくらいの街だからもっ と賑やかだと思っていたが、意外に閑散としている。

 午後、ソルトレイク(塩 湖、死海についで2番目に塩濃度が高く、塩分17%という)と、世界最初の露天掘りのビンガム銅鉱山を見学する観光バスに乗る。ソルトレイクに生物はいないと思っていたら、不思議なことに小さな海老のような生物がいて、バスの運転手が網ですくって見せてくれたのが面白かった。

雨に煙るソルトレイクシティの中心街

ソルトレイク(塩湖)の岸辺


湖に棲む小エビ状の生物
 

ビンガム銅鉱山の採掘跡(幅4km、深さ1200m)

 ビンガム鉱山は銅、金、銀、モリブデンなどの鉱物を産出し、1906年から現在に至るまで1500万トンもの鉱物資源を採掘して来た。採掘跡は宇宙衛星から見えるそうだ。

 今夜も深夜の旅立ちだ。01:40、また2時間遅れで到着したカルフォニア・ゼファー5号の普通席車でサンフランシスコの東対岸のエミリビルに向かう。

<22日(火) エミリビル・サンフランシスコ>  夜が明けるにつれて、列車は、荒れ野を走っていることが分かる。ソルトレイクシティを 出発して、10時間くらい走っても景色があまり変わらない。アメリカ大陸 の広大さが実感できる。しかし、やがてシエラネバダ山脈にさしかかると、 景色は一変する。太陽に雪山が映え、雪解け水が渓谷を走る。ガイドブック にも、ここが景勝の一つと書いてある通り、とても美しい。


シェラネバダ山脈の山々


雪解け水の渓谷沿いを走る列車

 列車は途中でエンジン・トラブルもあって6時間も遅れ、終点のエミリビル駅に22:45到着。予約していたホテル Holiday Innのチェックインはまた深夜になった。