(1) プルリア揚水発電所 インドの西ベンガル州の州都コルカタ(旧称カルカッタ)から北西300Kmの内陸部へ入った標高250〜520mの丘陵地帯のプルリア地区に上下に2つのダム湖を建設し、有効落差177mを得て、最大90万KWの電力を発電する揚水発電所です。 揚水発電所は夜間の余剰電力を使って下池から上池水をポンプで汲み上げ、電力需要の多い時に上池から下池に水を落として発電機を回し発電する仕組みです。ちょうど、蓄電池のような働きをしています。従って、標高の違う2箇所にダムを建設し貯水池を設け、その間を水路で結び、途中の発電所でポンプ・水車に水を送り、発電あるいは揚水を行えるようになっております。 西ベンガル州の90%以上の電力は石炭火力でまかなっています。しかし、石炭火力発電所は一定の出力で運転していれば効率が良いのですが、需要に合わせて出力を調整するのは不向きな発電形式です。そこで出力調整の簡単な揚水発電と組み合わせると効率の良い電力ネットワークが構築できることになります。 なを、この発電所の大半は日本政府の円借款(ODA資金)で賄われ、土木工事は 大成建設、水門鉄管工事は三菱重工、発電機、変圧器・開閉装置等の電気工事は東芝が担当し、工事の総合監理は電源開発が担当しています。 (2) 発電所の緒元 設備出力(最大):225MW/台 × 4台=900MW 有効落差:177m ダム形式:中央コア型ロックフィルダム ダム高:71m(上池) 95m(下池) 発電所:高さ48.7m× 幅22.5m × 延長157m 揚水発電所の詳しい仕組みは ここ(財団法人日本ダム協会のHPです)をクリックするとご覧になれます。 |