<玄田有史先生講演 >


  <大学の状況>
・就職うまくいかない子が勉強を怠けているわけではない。しかし精一杯頑張っても、うまくいかない場合、自分がだめなのではないか、と思ってしまう。真面目な子ほど、苦しくなるところに、現在の苦しさがある。
・今は五月病ではなく、365日病だといわれる。学生たちは常に追い詰められている。
・大学業界は、少子高齢化のあおりを受けている。「サービス」業として、自らを見直している。
・講義にも一生懸命取り組んでいる。学生は、「わかりやすく、すっきり」を求める。しかし、本当は、学生から、「わかりずらい。けれども、気になる」と言われたい。

 <希望学と働くこと>
・経済学は、「みんなハッピイになるために、その方法を一生懸命探すためのもの」。
・働く人のための経済学は、「ハッピイに働けることを考える」。しかし教える側も回答はわからない。
・学校の勉強は、直接役に立つわけではない。しかし、「わけわからないことを我慢すること」が最大の目的。仕事につくと、上司の言っていること、客のいっていることetcでわけのわからないことは多い。
・若い人たちのためには、「わけわからないこと」に慣れさせる、という点が重要。
・仕事は簡単に乗り越えられるものではない。大きな壁がある。壁の前でウロウロすることが大切。
・「ニート」には、真面目な若者も多い。仕事の意味、生きる意味がわからない、という。しかし、わけわからない中でうろうろすることに希望があるのだ、と伝えたい。
・日本には「希望」がない、といわれている。不安要因は多い。少子高齢化、インド・中国の発展。しかしそれほど悲観すべきものでもない。
・鬱病、具合が悪い方に「がんばれよ」「大丈夫かい?」といってはだめ。言われると苦しいから。質問の形式じゃなくて、「大丈夫だよ」と言うべきである。
・仕事と家庭の両立は苦しい。しかし、3つ目の場所が必要。それが、ふるさとではないか? 理由も3つが「座りがいい」。
・いろんな人がいろんな緩やかにつながることが大切。

 <島根県について>
・「八百万の神」がいることが島根のいいところではないか?
  ・島根県、宣伝がうまくいっていないのでは?
・松江はいいところである。

 この講演録を提供くださった藤川久昭さんの経歴を以下に紹介します。

藤川久昭(ふじかわ ひさあき)
青山学院大学法学部教授(労働法専攻) 大学院法学研究科ビジネス法務専攻主任 弁護士、内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官、東京都労働相談員 東京大学法学部卒 島根県浜田市育ち
島根県をこよなく愛する40歳
松江会には、誘われて参加。



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