私の健康法
〜元気の素〜

平成21年3月28日 
日野 和久 

 健康法について書けとのことですが、私は特別な健康法を持っているわけではありません。2年前に妻に先立たれ、一人暮しをしています。

 松高を卒業した時の体重は59kgで現在は61kgです。見かけ上はスリムで健康そうですが、結婚してから料理好きの妻が美味い料理を作ってくれ太ってしまい、30歳では80kgになりました。その後、徐々に減らしてきましたがその後遺症と親からもらったDNAのせいでいろいろと問題を抱えています。
 
 3年前に妻が癌で闘病中に私も狭心症の症状が出て、冠動脈にステントを入れることになりました。このときは妻の面倒を見ていたので、ここで自分が倒れては駄目と慌てました。妻も胆管の閉塞のためにステントを入れていたのでステント夫婦だねと二人で笑い合いました。私の場合は、その後何事もなかったように順調です。
 
 妻と一緒に静穏な生活をしていたときは、思いついては日帰りドライブや泊りがけのドライブ旅行をすることが楽しみでした。日頃、忙しくコンピュータに向かって仕事をしていたので妻と一緒のドライブは気分転換と癒しの時間でした。

 2年前の2月に妻が逝ってしまいました。初めの一月は呆然として過ごし、次の一月は落ち込んで過ごしていました。これではいけないと4月になると四国88ヶ寺を廻ることにしました。一人での長距離ドライブは少し億劫でしたが、四国の寺を順繰りに回っているうちに気力が甦ってきました。四国のドライブ旅行で前向きに生きる力を取り戻した気分でした。1年前には西国33ヵ寺を一人でドライブして巡りました。
 
 一人暮らしを続けるにはかなりのエネルギーが必要のようです。健康でなくても元気でいなくては続けられないと思っています。
 元気の素をどのように調達するかが私にとっては大切なことです。3年半前から食事を自分で作るようになりました。時には面倒くさくなりますが出来るだけ出自の分かった材料を使って楽しみながら料理を作っています。味付けがおかしなこともありますがその時は笑いながら食べています。
 
 足腰を弱らせないように出来るだけ歩いております。日頃の生活では車をほとんど使いません。毎日の買い物や用足しなどの外出時は足を使うことにしています。

 禅僧の道元は師の如浄から「青山・谿水を観るべし」と教えられ実行していたそうですが、私も昔から渓流に惹かれてあちこちに出かけていました。暑い夏の盛りを渓流沿いの木陰の中、汗を流しながら歩くことを昨年の夏から再開しました。三回忌を終えたので今年は渓流釣りもしようと楽しみにしています。
 クロスバイクを昨秋に入手し、乗り回しています。太ももがしっかりして体調も良くなった気分です。しまなみ街道のサイクリング走破の計画をしていますが、「天気が良く、風の弱い日」と条件を付けているので決行が4月以降になりそうです。

 4月になれば引き受けている仕事が終わるので、かねてから興味を持っている中世から戦国時代にかけての旧跡を訪ねて、伊豆・相模・箱根・甲府方面に時間をかけたドライブ旅行に出かけるつもりです。長距離ドライブは苦になりません。一人旅はクロスバイクを積んで車で行くことにしています。

 このところ、引野善夫、堀尾明道、福田義久(尚)、吉岡博などの高校・中学の同窓生諸氏と月に一度は市内のホテルで昼食会をしています。

 私の元気の素は松江の同窓生との交流、ドライブ、バイク、渓流歩き、読書、妻の思い出、料理でしょうか。肉体の衰えを精神の健康でカバーしようと思っています。

 知らない道をどこまでも興の趣くままに景色や土地の気配を楽しむドライブを続け、本を読み、文章を書き、思いついたらためらわずに行動する気力と実行力を出来るだけ持ち続けたいと思っています。私に残された時間はいくらあるか分かりませんが、その時間を出来れば元気に生きていきたいと思っています。

 それでは次は定年後、趣味のハワイアンを活かし、趣味仲間とバンドを組んで、ウクレレを片手にあちこちを元気に飛び回っている塩谷晃君にバトンを渡します。