2006・07・23 (文章)片山 洋 (写真)野中信博 今回は、主に北部の古都チェンマイの印象を中心に書いてみる。 1.チェンマイ概観 機内誌“SAWATDII(こんにちは)”に記されていたチェンマイ<象に乗って自然を、寺を訪ねて文化を、そしてマッサージでリラックスを>まさにそのとおりであった。今年は、プミポン国王の在位60周年にあたるので、街中が三色旗(赤、青、白ー仏教、国王、国民を表している)と国王旗(誕生曜日が月曜だったので黄色地の図柄)、顔写真があちこちに飾られ、毎日が祭日という感じであった。 2.自然を堪能 チェンマイから車で北へ2時間も行くと、常緑樹と硬木の深い森林に達する。象のキャンプもそのような所にある。キャンプをベースに川や山道を2時間近く象でトレッキングしたが、背中に設えられた座席は高く、細い山道を上下する時は、支柱にかじりつくだけで景色を眺める余裕もない。荒海に漕ぎ出したボートなんていうものじゃなかった。 象の背中に揺られて山道をトレッキング でも、平地では、十分森林浴ができた。キャンプ内では、象がサッカーゴールにボールをシュートしたり、器用にキャンバスに絵を書いたり(高額で売れるアルバイト)、大木を2頭で協力して持ち上げたり、いろいろなショーを楽しませてくれた。象、彼らは気が優しく頭がよくて力持ち、昔からタイ経済の重要な担い手であったのも頷ける。 水牛車やいかだ乗りも経験したが、身体はガクガク、とにかく早く帰ってマッサージを受けなきゃと思ったが、妙にして楽しい一日であった。 水牛車に揺られて ずぶ濡れのいかだ乗り 3.香り高い文化を垣間見 チェンマイはかってのラーナタイ王朝の都で、古都特有の風情が感じられる。山岳部の少数民族の文化も取り入れた独特の文化圏である。著名な寺院だけでも十指に余る。今回は、寺院6個所を参拝したが、中でも初めて訪れた聖なる山ドイ・ステープに建つワット・プラ・ダート・ドイステープの金色に燦然と輝く巨大な仏塔の見事さには目を奪われた。 金色に輝く巨大な仏塔 (ワット・プラ・ダート・ドイステープ) 境内には、沢山の仏像や壁画があるが、仏のイメージ像が月、火、水--と曜日順に体位の異なる9体で並んでいるのは初めて見た。私の生まれた曜日を調べると、月曜日だったので、そのイメージ像の前で祈とうした。 体位の異なる9体の仏像 境内の壁画 その他にも、白い仏塔が印象的なワット・プラ・シンや象の石像がパゴダを支えるワット・チェン・マン等々数多くのの寺院がある。いずれも西暦13〜14世紀に建立されたものである。 金色の仏塔と墓石群 (ワット・スアン・ドーク) 象の石像に支えられたパコダ (ワット・チェディ・ルアン) 仏教教育も盛んで、20歳以上の男性は原則として一度出家(数日から一生)しなければならないし、少年を対象とした養成(修行)学校が数多くある。昼休みに学校を覗いたら、入口に“日本人の皆さん、少年僧に日本語で話しかけてください。会話の訓練になります。”旨の看板があったのには驚いた。私のたどたどしい日本語で話しかけ、一緒に写真も撮った。 修業僧と共に チェンマイは、絹織物や木彫、銀製品などの手工芸品の産地として有名で、高級店に入ると、垂涎、垂涎、だけどお値段はやはり高い(私には)。 4.伝統医療に満足 有名なナイトバザールに行くと、裸電球を吊るした夜店に混じって、リクライニングシートを並べたタイマッサージエリアが沢山ある。曰く因縁、その歴史を尋ねてみると、タイマッサージはバンコックのワット・ポーに開校された医学講座(医療マッサージ)の流れを汲むものである。一度経験したら病み付きになり、毎日通院した。その御利益もさることながら、1時間300円の魅力には勝てなかった。 ナイトバザール タイ式マッサージを楽しんで 5.途中下車バンコック タイの友人との旧交を温めるためにバンコックに立ち寄った。友人は案内場所をいろいろ考えてくれたらしく、国立博物館、ワット・ポーの格式あるマッサージを案内してくれた。国立博物館は見学に時間もかかるが、タイの黄金期スコータイ、アユタヤ時代の展示品が素晴らしく、アジア有数の博物館である。タイに行ったら是非立ち寄ってみて下さい。 タイ王国は、東南アジアのなかでも唯一他国による植民地支配を経験したことのない国でもあるし、国を挙げての仏教国でもあり、顔も心も日本人のはらからと言ってもよい。ますますタイファンになってしまった。サワディーカップ(さよなら)、コップン.カップ(ありがとう)。 |