雨中の西沢渓谷トレッキング

平成23年9月3日
福間 三郎


 8月27日(土)、天気は曇り、後雨。8時45分、JR中央線山梨県塩山駅に降り立った木下勲君、藤江敦美君と私、福間三郎は、蓼科の別宅から参加の小林信生君の迎えの車に乗り込み目的地・西沢渓谷に向かう。渓谷入口駐車場で、山梨市に依頼していた西沢渓谷専門ガイドの岸謙吉さんの出迎えを受けた。

 今日の目的地の西沢渓谷は奥秩父最後の秘境と言われ、奥秩父の国師ケ岳(2,592m)にその源流がある笛吹川の上流に位置し、花崗岩を清流が侵食してできた大小様々な滝と奇岩を楽しむことができる日本でも屈指の美しい渓谷だ。
 岸さんの指導で準備体操後、9時30分出発。途中、渓谷の地学的特徴やトレッキング上の注意事項を聞く。特に昨日の大雨で水量が普段の1.5倍はあるので川沿いの歩行には特段の注意が必要とのこと。


8期生健脚4人衆


ガイドさんの説明を聞きながら


西沢渓谷入り口までが結構きつい


ここから渓谷を形成する大小様々な滝の景観を楽しむ

 渓谷入口に向かって歩くこと30分、いよいよ西沢渓谷だ。最初は、三重の滝。水のコバルトブルーは太陽がなく今一であるが、昨日の大雨で水量が増え、まるで荒れ狂ったように流れており、西沢渓谷の滅多に見られぬ一面をみることができた。

 我々は、渓谷の左岸を登る。滝は、そのあと魚止滝、竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝と続く。貞泉の滝あたりのマイナスイオン数は12000だそうだ。都心の100に比べるとべら棒な数値だ!

 圧巻は、七つ釜五段の滝。ここもゴーゴーと荒れ狂っていた。釜の七つは明白に認識されないが、大小連なった五つの滝は、その落差のせいもあろうが、逆コの字に迂回しており、一目には滝全体を眺めることはできない。ガイドさんが岩に登り、四人を入れて写真を撮ってくれた。

 不動の滝を最後に渓谷と別れ、中間地点の休憩所まで250mを登る。これが一番きつい。トレッキングというよりは、登山に近い感じだ。

 途中で降りだした雨に濡れながら、昼食を摂り、12時40分トロッコ道を一気に下る。このトロッコは山で採った材木を落差を利用して塩山駅まで運ぶためのもので、昭和8年から43年まで使われていたそうだ。トロッコは、ブレーキのみあり危険な運搬機であったろう。ゴール直前では、野生のシカが我々を歓迎して、写真におさまってくれた。

 14時、ほぼ予定通りに一周9.5kmのトレッキングを終え、ガイドの岸さんにお礼を言って別れる。岸さんからは、新緑、紅葉の季節にまたのお越しをと誘われた。車に戻り、小林君の運転で反省会会場に向け、西沢渓谷を後にする。反省会は、バーベキュウに地元特産のぶどう酒。辛口の赤、甘口のロゼに疲れを癒す。17時前、塩山駅で蓼科に帰る小林君と別れ、我々は新宿行きの列車に乗りこみ、帰路についた。


無事完走を終えて(小林君の飲み物はノン・アルコールです・念のため)

  降雨の中での思いのほかきついトレッキングであったが、久しぶりに達成感を覚えた一日であった。

 以下に写真で渓谷の景観とトレッキングの様子を紹介します。