陽春たけなわ!箱根峠から三島へ
推定平安鎌倉古道を下る


平成19年4月26日 
小林信生 

 
日 時:2007年4月24日(火) 午前9時30分 JR熱海駅集合。
天 候:曇り。陽春とは言え、前日から関東地区は低気圧の通過で上空に詰めたい空気が流れ込み、熱海駅の気温は12℃程度で肌寒い。午後遅くには雨も降るという予報。高度800mにある箱根峠の気温計は8℃を示していた。
参加者:木下 勲、福間三郎、小林信生、そして、松高ハイキングにはおなじみとなった木下君の友人、山本圭吾さんの4名。
コース:熱海駅から、路線バスで箱根峠まで登り、そこから駿河湾三島に向けて、鎌倉古道を下る。(歩行時間4時間半、約13km)





経 過:<10時39分>
 箱根峠の「箱根旧街道」と書かれた門の前がスタート点。          そばに、箱根新名所「峠の地蔵」として近代的な、有名人(黒柳徹子、宮 城まり子、桜井よしこなど)の自筆を彫った石碑があった。


箱根旧街道入り口


峠の地蔵

<10時48分>
「静岡県へようこそ」という看板の前で、身支度をして、歩き始める。 少しすると、体も適度に温まり、快適なハイキングとなった。
<11時23分>
 芦ノ湖カントリークラブのゴルフ場と高原別荘地を通り抜け、「鎌倉古道入口」に立つ。平安時代以来、東海道を往来する人達がここを通り抜けて行ったかと思うと感無量。以降、随所に「推定平安鎌倉古道」の石碑が三島市によって建てられていて親切だ。


箱根古道入り口


「推定平安鎌倉古道」の石碑に一つ

 古道は、踏み固められた比較的広い道のところもあれば、道なき道も あって(これはわれわれが勝手に通ったとも思われるが)趣深い。 石畳道、沢道、木道、草道さまざまな道は下へ下へと続く。遅咲きの 山桜は可憐な花を咲かせ、芝桜・ツツジなどを一緒に眼を楽しませて くれる。

薄暗い平坦な古道


道なき道

<12時30分>
 桜で有名な扇平に到着。残念ながら桜はすっかり青葉に変わっていた が、新緑のさくらも、また新鮮だ。丁度、昼時になったので、ここで腹ごしらえ。記念撮影で全員パチリ!皆さん、いい顔してますなー。

葉桜に覆われた扇平の頂上にて

<13時00分>
 扇平を出発。約1時間くらい古道を歩いて、開けた農道へ出る。 ぱーっと開けた視界には、三島の市街と西伊豆の海、伊豆特有のぽこぽこしたやまなみが目に飛び込んでくる。


手前の三つの山は沼津アルプス

 今日のハイキングの目玉の一つは、三島の老舗のうなぎ賞味である。 もうすぐそこだと思うと、自然と足取りが軽くなる。途中で、冨士自衛体の演習場から回収した廃品(ミサイルや兵器などの部品)の薀蓄を語ってくれるおじさんや畑仕事の傍らわれわれに親しく語りかけてくれたおばあさんなどと会話をしたり、30名くらいが一斉に参加する大縄跳びに挑戦する中学生に大声で声援したり、結構楽しい。
<15時30分>
 願成寺(伊豆の蛭島にいた源頼朝が100日間この寺にこもって三島大社へ日詣し、大願成就したといわれる)前を過ぎる。


源頼朝ゆかりの願成寺の入り口前で

 後半の一般道の歩行もなかなかよい。人と人との出会いや、又、その地特有の建物との出会いがあったりして退屈しない。今回特に目を引いたのは高級住宅を囲う垣根だ。箱根篠竹で編んだこの地方独特の垣根で「沼津垣」といい芸術的な模様編みで、今ではもう珍しくなって来たとのことである。


箱根篠竹で編んだ芸術的な民家の垣根

 最終地点終点の三嶋大社の境内の中には幾種もの大木が茂っているが、中でも樹齢1200年を誇る金木犀が圧巻だ。開花に至るや四方8kmまでに芳香を放つとのことである。
 本社殿は、箱根を往来する昔の人達が、安全祈願を祈った結果であろうか、豪華な建物だ。神社の前の石段に腰掛けた諸君の顔にはかなりお疲れの様子が?それもそのはず、下りは一度も休まないで約2時間半歩き通しで、ここまでやって来た後だったから、、、


8km四方に芳香を放つ金木犀


お疲れさま


荘厳な三嶋大社本殿

<16時15分>
 三島市内に入り、いよいよ今日のハイライト、老舗うなぎ家の「桜家」に着いたところ、本日・明日は臨時休業の看板が出ているではないか。一同がっかりしたが、さすがリーダーの木下君。更に少し先にもう一軒うなぎ家を見つけてくれていて、そこまで足を伸ばし、念願のうなぎにありついた。うなぎの白蒸しを裏ごしして固めた「うなぎ豆腐」という珍味まで頂け、ゆっくりした反省会となった。
<17時30分>
 タクシーで、三島駅へ。一同心よい疲れを覚えたが、今日の一日も健康で過せたことを感謝しつつ、帰りの電車に乗った。

雑 感: このハイキングは、長く続くだけあって、木下リーダーが、われわれの体力にあったコースと自由なスケジュールで企画してくれて、気の置けない仲間たちが集まり、楽しい会話を交わしながら歩くので、普段なら一人でなかなか歩けない10kmくらいの長距離でも、あっという間に歩けてしまうから不思議だ。昨年の今頃、腰痛で杖着いて、ウンウンうなっていた頃の事が嘘みたいに歩けるようになって、嬉しい気持ちで一杯だ。このようなハイキングに、参加する同期生が増えることに期待したい。


         



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