平成17年9月19日 福間三郎 今月の定例ハイキング先は静岡県由比町の背後に鎮座する「浜石岳(707m)」。眼下に駿河湾、背後に富士山の大展望が望めるとあって、首都圏のハイカーに人気のある山の一つだ。 9月14日(水)いつもの木下勲君と彼の山友達大久保光三さんの3人でこの山から「さった峠」に至る14kmのウオーキングに挑戦した。9月半ばとはいえ、いまだ残暑が厳しく、気温は30度をゆうに越している。標高が高いだけ先月の「柳生街道」よりきついかもしれない。 由比→浜石岳→さった峠→由比コース(14km) 10:30定刻どうりJR東海道線由比駅に到着。直ちに頂上を目指して行動を開始。街の角々に示されている案内板に従って歩くこと15分「ようこそ浜石岳へ」という大きな看板に出迎えられた。ここから登山道入り口(標高500m)までは両面をみかん畑に囲まれた舗装された車道だ。太陽がちょうど真下を照らす時間帯のため、空から直射日光、車道からの照り返しをまともに受ける。車道の勾配も予想以上にきつく、10分も歩かないうちにビッショリと汗をかく。道路の曲がり角にできた小影を見つけては小休止。水分の補給につとめる。 たわわに実を付けたみかん畑ののどかな風景を楽しむ余裕があればこそ、ひたすら登ってようやく標高500m地点の登山道入り口にたどり着く。これからは樹木に覆われた登山道でしばらくは直射日光に苦しめられることはないだろう。 浜石岳への歓迎板(ここから500mまで車道を登る)
登山道に入ると驚いた。先日の台風14号の影響か。いたるところで倒木と枯れ枝が散乱して山道をふさいでいる。これら障害物を除けながら登ること30分青少年野外センターの広場に到着した。 時に12:00、予定より30分の遅れ。駿河湾と伊豆半島が一望できる双眼鏡台に腰を下ろし、眼下の駿河湾を眺めながら昼食をとる。
しばしの休憩の後、再び登山道に戻り頂上を目指す。これまで以上の急勾配だ。山道にむき出している木の根や要所に張られているロープにしがみついて登ること30分、周囲が急に明るくなって360度の視界が開けてきた。13:00、山頂に到着。 一面芝生に覆われた山頂には樹木が皆無で、まさしく360度の大パノラマだ。だが、夏の空は無情だ。山頂碑の真後ろに聳え立っているはずの富士山だけは厚い夏雲に覆われて、頂上のかけらさえも望めない。期待が見事に裏切られた。 浜石岳(707m)頂上にて(真後ろに富士山があるはず) 次なる目的地は古来より、箱根、鈴鹿と並んで東海道の3大難所と言われて来た「さった峠」。休憩もそこそこに切り上げ、13:30に下山を開始。 展望のまったくきかない林の中、アップ・ダウンの尾根道をひたすら進む。途中数ヶ所ロープが設置されている急な下りもあって、疲労度が最高に達したところでみかん運送用のレールが見えてきた。東名高速の雑音も耳に入ってきた。予定より1時間遅れで17:00「さった峠」に到着。昼間の雲はすっかり消えて富士山が夕日に映える。 さった峠から眺めた夕日富士(手前は浜石岳) さった峠の景勝地で 「さった峠」に降り立ったところで登山道管理人に「この暑いのに浜石岳を登って来たのかと」尋ねられ「そうだ」と胸を張ったものの3人とももう疲労困憊。最終目的地の由比駅までまだ1時間は歩かねばならぬ。 そこで、由比駅前で食事を共にすることになっている木下君の清水在住のメル友「しらさぎのおせつさん」ご夫妻にSOSを発信し、救護をたのんだ。 迎えの車を見たときはまさしく「地獄で仏」の気持ちであった。 どことなく宿場町の雰囲気が漂う由比町(東海道五十三次の16番目の宿場町)のとある食堂で早速、反省会という名の歓迎会。もちろん、駿河湾特産の「さくらえび」のオンパレードのご馳走であった。 生えびにはわさび、かき揚げにはピンク色の塩をまぶして食べる。聞きしに勝って美味であった。おせつさんの話によれば、ピンク色の素はさくらえびのひげの粉末で、地元ならではの調味料とのこと。私と大久保さんはご夫妻と初対面であったが、大いに飲み、かつ、語り意気投合し、再会を約して別れた。
会食が終わり由比駅に向かったころには、先ほどの疲れはどこへやら、3人ともすっかり足取りが軽くなっていた。いやはや酒飲みとは現金なものである。 おせつご夫妻には大変お世話になりました。お礼を申し上げます。 |