春爛漫の沼津アルプス

平成16年3月31日
福間三郎
 
(沼津市のHPから引用)

  3月28日(日)、木下勲君と春爛漫の沼津アルプス登山を楽しんだ。このところ寒の戻りで雨交じりの寒い日が続いていたがこの日はまさしく春爛漫の快晴、無風に恵まれ、絶好の登山日和になった。 沼津アルプスとは左図に示すとおり、伊豆半島の付け根に位置する沼津市の東方に南北に連なる小さな山並みで五山七峠から成っている。これらの山々はいずれも海抜200mから400mの低山であるが、アルプスの名のとおり起伏が激しく、急斜度をロープや鎖にしがみついて登り下りする場所が随所にあり、スリル満点の山々である。また、晴天に恵まれれば北に富士山、南に伊豆の山々、東に箱根、西に駿河湾の景観が楽しめるコースでハイカーの人気を集めている。
 今回は徳倉山(とくらやま 256m)、横山(183m)、香貫山(かぬきやま 193m)の三山の約9kmのコース(赤線表示)を多少の余裕を持って6時間で縦走する計画だ。

  午前10:50、この山並みの最高峰鷲頭山(わしずさん 392m)の麓から志下峠、馬込峠伝いに徳倉山を目指して登り始めた。のっけから聞しに勝る急坂だ。まだ、ほぐれていない体をいたわりながら、ゆっくりゆっくり歩を進めて行くと陽だまりの登山道の脇に珍しい草花がたくさん眼に入る。ポケット植物図鑑を取り出して、俄か植物学者気取りでああでもない、こうでもないと花の名前を特定し合ったり、樹間に見え隠れする富士山や駿河湾の眺望を楽しみながら、予定よりやや遅れて12:00 に徳倉山の麓の志下坂峠に到着。ここでこれからの急登に備えて昼食を取る。

昼食地点で眺めた徳倉山と富士山


駿河湾と伊豆半島

  しばしの休憩の後、志下坂峠に立てられたカラフルな標識に従って、12:20 徳倉山山頂まで斜度40度はあるかと思われる急坂をストックでバランスを取り、山道にむき出しになっている木の根っこに 足を踏ん張りつけて、悪戦苦闘すること30分 、あたりが急に開けて、360度の大パノラマが眼前に広がった。12:50 山頂に到着。頂上は芝生状の草がじゅうたんを成し、寝転がって休む人、弁当を広げる人、パノラマを楽しむ人、様々である。


同山山頂にて富士山をバックに


山頂よりのぞむ駿河湾と沼津市

  頂上の大パノラマを30分間堪能して13:30 次の目的地横山、香貫山をを目指して下山を開始。急坂には要所要所にロープや鉄の鎖が張られており、これにしがみ付いて下山をして行くのだが、最近の雨の影響で登山道が乾ききっておらず、足を滑らして転ぶこと数回、横山に14:40到着。回りが樹林に覆われて眺望はきかない。標識でここが山頂であることを確認して、次は香貫山を目指して再び登頂を開始。徳倉山ほどの斜度ではないが、疲れきった体から最後の力をふり絞り夢遊病者よろしく16:10  香貫山の展望台に到着した。

  香貫山は沼津市民の憩いの場として公園風に整備され、12,000本のソメイヨシノが植えられている。だが、いまだ二分咲き、満開(4月3,4日頃)のソメイヨシノと周囲の眺望が織り成す絶景を紹介できなくて残念だ。展望台から夕暮れ迫る富士山と曲線鮮やかな駿河湾を今一度眼に納めて下山、17:00 沼津駅近くの老舗「魚がし鮨」で例によって反省会。駿河湾で捕れたての鮨ネタで横綱級の鮨を注文、地酒を飲みながら本日の成果を語り合う。

  朝、沼津駅のホームで振り返って仰ぎ見た富士山、徳倉山山頂で眺めた真昼の富士山、香貫山展望台から眺めた夕日を浴びた富士山、時間によって自在に姿を変える富士山を堪能した一日であった。次回は4月28日(水)に箱根外輪山の一峰を成す「明神ヶ岳(1169m)」→「明星ヶ岳(923m)」に挑戦することになった。我々以外の参加者が加わることを願いたい。

  縦走の途中で春の訪れを告げる珍しい草花を20種以上見つけ、カメラに収めた。 香貫山のソメイヨシノの代わりに、これらの草花の一部を紹介しよう。


クサイチゴ


クサボケ

アオイスミレ


ヤマブキソウ

シャガ


ムラサキケマン



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