2004.1.21
文 :木 下 勲
写真:小 林 信 生
山と渓谷社「神奈川県の山」から
1月16日(金)、晴天。新松田駅、10時発の山北駅行きのバスに乗り込む。
メンバーは、昨年の矢倉岳と同じ福間君、小林君、私の三名だ。電車の中、バスの
中からと、雪を3合目あたりからかぶった富士山が、見えかくれしていた。今日の
大野山(723m)頂上からも、見られることを祈って、10時20分山北駅から
歩き始めた。上には牧場があり、放牧された乳牛が草を食んでいると、案内書にあ
った。旧国道246号が新国道246号にぶつかった右先に、大野山5.0kmの
道標発見、10時45分。ここから右折して上り坂、しかしまだ車道歩きだ。
最初の道標にて
「牛は、今日いないそうだよ」と、一歩遅れてきた小林君。道端で日向ぼっこす
る老夫婦からの情報だ。避寒中なのか、残念。しばらく登ると左手上に、頂に牧場
らしき建物のある、大野山が太陽を真正面から浴びて、はっきりと見える。周りは、
枯れた牧草地。厚着しての登りは熱い、福間君を筆頭にみな汗びっしょりだ。着て
いたセーターなど脱いでゆく。共和小学校の横に、「富士見通り」との看板あり。
富士山はもう雲が覆いはじめ、下の方しか見えない。その右手前に、大野山の全景
がはっきりと現れてきた。
下から仰ぐ、大野山
学校脇の近代的トイレで用をたし、その先の道標でいよいよ登山道に入る。緩や
かな雑木林をぬけ、右手に牧場の柵が現れる。牛はいない。柵伝いの階段は急で長
い。数回休んだあげく、尾根にたどり着く。下の足柄平野の向こうに、相模湾が見
える。ここから、また車道。牧場の案内板によると、山頂は600m先だ。最後の
登りを終えて大野山山頂、時刻は12時45分。
左手は見えるであろう富士山、正面は西丹沢山塊、右手奥は丹沢山々塊か。下方
には、丹沢湖が水を湛えている。この「西丹沢の展望台」といわれる場所での昼食、
吹きさらしのせいで風が冷たい。この寒風のなか、桜の木がすでに芽を吹いている。
三脚での記念撮影を終え、13時15分そうそうに下山、谷峨駅に向かう。 |