小林信生
先週末(4月7日土曜日)、一日時間が空いたので、急に思い立ち、家内
と東京散策に出かけた。JR四谷駅で下車、上智大学横の八重桜のまだまだ
綺麗な桜土手からスタート。ホテルニューオータニに沿った元伊井家中屋敷
跡の日本庭園を通り抜け、赤坂見附に出る。さらに、三宅坂を下りて、皇居
のお堀を左回りで、千鳥が淵公園へ。お堀端の公園も八重桜が残っていて美
しい。代官町通りを歩き、近代美術工芸館(元近衛師団司令本部)から北の
丸公園へ。ここは広々とした芝生と池があって、ベンチも多く、混んでいな
い憩いのスポット(桜満開時には大混雑だと思うが、ピークを過ぎたためか
それほどでもない)。コンビニで買ったおにぎりを頬張り、のどかな陽光を
浴びる。公園では、幼い娘に自転車の乗り方を懸命に教えるお父さん、鳩に
餌をあげているよちよち歩きの坊や、50キロもあるセントバーナードと1
キロ足らずのチワワのじゃれ合いなど、ほほえましい光景に癒される。腹ご
しらえが出来たところで、九段下の靖国陣社を通り抜ける。折しも、春の慰
霊祭の最中で、「同期の桜を歌う会」が開かれていて、元軍人らしき人たち
が嬉々として集まり、そこは平和な世界だ。靖国通りに出て、JR市ヶ谷駅
近くでコーヒータイム。駅の手前を折れて、雙葉学園に抜ける土手を通り、
再び四谷駅へ。ここで丁度一周となった。
九段坂から北の丸公園入口を望む
靖国神社
家内と小生に体力がまだ残っていたので、さらに足を伸ばす。迎賓館の前
を抜けて、元赤坂の東宮御所の北側の銀杏並木を通る。「愛子さまはここで
お育ちなのね」と話しながらいつの間にか信濃町にたどり着く。慶応病院の
南側を抜けて、内藤町から新宿御苑へ。久しぶりの御苑はかなり整備されて
いて、ここの見学だけでも時間がかかるので、別の機会にしようと、公園中
には入らず、ビジターセンターに。御苑の自然の解説を学び、四季を彩る鮮
やかな写真展を見て、JR新宿南口へ。途端に人混みに巻き込まれ、這々の
体で田舎に逃げて帰る。
約10キロ程度の道のりのほとんどが緑と花の豊かな街路と公園で、30
年近く東京(とはいえ田舎だが)に居ながら、今頃になってこんな発見をし
たことが恥ずかしく、東京のど真ん中に、喧噪と排気ガスから開放された自
然の豊かさが残っていることを感じさせてくれた。町中の嫌いな家内も「ま
んざらではないわね」と見直したようだ。ジジ・ババの散歩ゆえ、カメラを
持参せず、道々の美しい情景をお見せできないことは残念だが、来年も同じ
頃に、また歩いてみたいと思わせる散歩だった。
皆様もお試しになっては如何。
(後日、カメラなしの散策に花を添えようと三沢君が写真を撮ってくれまし
た。ここにある写真は、厚かましく借景(借真??)させていただいたもの
です。) |