常 陸 紀 行


 小春日和に恵まれた11月30日と12月1日の両日、福間三郎、三澤
通宏の両君からの誘いがあり常陸の国を訪れた。
 11月30日は、三澤君の勤務先である日立製作所を訪問した。応接室
には斉藤典士君が待っていてくれた。広大な敷地に配置された数々の工場
建屋群に圧倒されつつ、創業当時のイメージを再現した創業小屋、創業の
父小平浪平翁を偲んで建設された小平記念館、またタービン、発電機、U
PS工場を見学した。工場建屋が広大なせいか働いている人が少ないよう
な感じさえした。

創業小屋前で
 夜は、山海の珍味に舌鼓をうちつつ、なつかしい松江のことや近況を語 りつつ時間の経つのも忘れるほどであった。  12月1日は、もみじや公孫樹の落葉を踏みつつ天下の副将軍水戸黄門 (徳川光圀公)の隠居所である西山荘を訪れた。紅葉シーズンの終わりで もあり訪れる観光客も少なく、却って旅愁を感じた。西山荘は、黄門が江 戸城という贅を極めた環境から質素な環境に自らを置き、晩年を優雅に過 ごされたところである。荘内には、質素な草屋、心字池、竹林、紅葉等の 樹木が配置され、思わず一句読みたくなったが・・・・・いかんせん後が 続かなかった。記念にテレビの”水戸黄門”でのセリフ”この紋所が目に 入らぬか”でお馴染みの葵の紋様の入った印籠を買い求めた。福間、三澤 の両君と誰が黄門様やら、弥次喜多さんやら、一時タイムスリップした。
西山荘にて
 次ぎに訪れたのは、日本三名園の一つ偕楽園。園内の半分は梅林が占め、 春先には大勢の人で賑わう。この名園は水戸第九代藩主徳川斉昭公(黄門 様は水戸藩主第二代藩主)の造園計画によるものであると言う。園内には、 好文亭という二層三階の亭があり、そこから眺める風景は園内と周辺の湖 水、田園風景が一体となり趣ある情感を醸しだしてくれる。
好文亭 好文亭から千波湖を望む
 奇しくもこの日は、内親王ご誕生の日であり、この楽しかった小道中が 忘れられないものになると思う。



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