世界遺産
熊野古道(大雲取越え、小雲取越え)を歩く

平成18年6月18日 
佐藤富信 

 去る4月14日(金)〜16日(日)所属する山の会の仲間15人とツアーコンダクター(旅行会社社員)、語 り部の計17人で2泊3日の熊野古道の山旅をしました。

大雲取山→小雲取山超えコース概略図(歩行距離:26km)

【第一日(4月14日) 晴】
 広島駅 7:11発 ひかり442号〜オーシャンアロー5号にて新宮駅 12:48着。バスで熊野速玉大社と 補陀洛山寺に参拝した後大門坂入口へ。
〈歩行タイム〉
 大門坂入口 14:30 ―→ 15:20 熊野那智大社・青岸渡寺 15:55 ―→ 16:15 那智の滝(飛瀧神社) バスにて宿舎「休暇村 南紀勝浦」へ。

大門坂 

 日本の三大古道の一つで、その昔蟻の熊野詣が行われた石畳が往時のまま残っている。古道の 両側に林立する杉並木は約170本、古いものは樹齢800年、周囲8.5m。かなりの急登につき第 一日目に歩きました。

多富気(たぶけ)王子社跡

 熊野九十九王子社の最終王子社。草に埋まっており往時の様子は伺えない。石碑のみあり。

 熊野那智大社

 熊野三山の一つ、主神は熊野夫須美(ふすみ)大神(縁結びの神)。熊野造り(切妻妻入)、権現造りの古 式社殿前でハイポーズ。467段の石段を登りました。

那智の滝

 滝そのものが御神体で飛瀧(ひろう)神社としてお祀りされている。高さ133mは日本一です。なお、 左は青岸渡寺(西国三十三ケ所第一番札所)の三重塔です。

【第二日(4月15日) 雨時々曇】
〈歩行タイム〉
 那智山神社お寺前バス停 8:45 ―→ 9:00 大雲取越え登山口 ―→ 9:15 那智高原 9:20 ―→ 10:15 登立茶屋跡 10:20 ―→ 11:10 舟見峠 ―→ 12:30 地蔵茶屋跡(昼食) 13:00 ―→ 13:50 越前峠 13:55―→ 16:00 円座石 16:05 ―→ 16:30 小口バス停 ―→ 16:45 小口自然の家(宿舎)

大雲取越え登山口 

 まず青岸渡寺へお参りし、安全祈願の後出発。登山口はお寺の境内にあります。終日雨模様で 展望は残念ながら望めませんでした。


大雲取越え

 霧雨の中延々と続く杉木立の山道、まさに幽玄の世界だった。


地蔵堂

 地蔵茶屋跡も草叢の中か? 立派な新築の休憩所があった。地蔵堂も建替られており、中には 石地蔵33体がまつられている。ここで遅い昼食となったが、風も吹き出し早々に出発する。


 越前峠

 一番の難所 最高地点870mに漸く到達。ここからは下り、皆ニコニコ? 周りは杉、杉‥‥。 紀州は木の国でした。


胴切坂

 約4km延々と急勾配の下りの石畳が続いた。疲れた体には厳しい!

地蔵尊

 大雲取越え一のお姿です。道のかたわらには苔むした石仏や墓石が点在していた。

円座石 (わろうだいし)

 「わろうだ」とは昔の円形の座布団のことで、大石の上に円形の敷物に熊野の神々が座って 談笑したり、お茶を飲んだと云われている。大石には梵字三字(阿弥陀仏、薬師仏、観音仏の 三仏の意味)が彫られている。ここまで下ると、道は緩やかとなり今日の宿もすぐです。

【第三日(4月16日) 晴】
 宿舎からバスで小和瀬バス停へ。

〈歩行タイム〉
 小和瀬バス停 7:35 ―→ 9:00 桜茶屋跡 9:10 ―→ 10:05 石堂茶屋跡 10:15 ―→ 11:00 百間ぐら(昼食) 11:30 ―→ 12:00 松畑茶屋跡 ―→ 13:10 請川:下地橋バス停

 バスにて熊野本宮大社参拝後、渡瀬温泉で汗を流し、紀伊田辺駅へ。  紀伊田辺駅 17:45発 スーパーくろしお32号〜のぞみ67号で広島駅 21:38着。     

小雲取越え 

  一転して今朝は晴。気分良く早い出発となった。


 桜茶屋跡から越前峠を望む

 小雲取越えの登りの難所はここまで、桜茶屋跡から昨日雨の中を越えて来た越前峠と急勾配 の胴切坂を望む。
   

石堂茶屋跡

 かつては沢山の旅人を泊めた茶屋だったようだが、今は小さな東屋(休憩所)が設けられてい ます。


百間ぐらから果無(はてなし)山脈

 「百間ぐら」というのは、深い崖の意味。ここからの展望は素晴らしく、北側に高野山から 南下する道のある果無山脈を望む。絶景を満喫しながらここで早い昼食となる。


小雲取越え下り

 道は下りとなり、広くてルンルン気分で下山口の請川集落まで無事歩けました。

熊野本宮大社例大祭 (その1)

 幸運にも雨で延期となった大祭礼を見物でき、感激しました。本宮から大斎原への神輿渡御 で、初めは神職や修験者が進みます。


熊野本宮大社例大祭 (その2)

 次いで、神輿の一行が続きます。祭りは最高潮! 今年も豊作となるでしょう。

渡瀬温泉

 無事山行を終え、西日本最大の露天風呂で汗を流し、美味しいビールで乾杯。極楽々々。 右は山仲間の黒田さんです。では又 地球の何処かで。     



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