第52回東京双松会に出席して

平成19年10月1日 
福間三郎 

 恒例の東京双松会(第52回)が一昨日、9月29日に霞ヶ関東京會舘で開催され、8期から今岡宣美、小林信生、藤江淳美、水野恵夫、福間三郎の5名が参加しました。学校関係者も含めて参加者数70名、出雲弁が行きかう中で出雲そばと松江の銘酒李白を味わいながら、先輩、後輩諸氏と懇親を深めました。

 出席者の名簿はココをクリックするとご覧になれます。

 出し物として昨年までは文科系の「部活の思い出」をテーマに歴史を彩った方々にパネル・トークをしていただき高校時代に思いを馳せて来ましたが、今年からはスポーツ部に移り、バレー部がその先陣をきりました。バレー部は昭和5年に(旧制松江中学)創設され、全国制覇の名誉に輝いたこともあり、多くの傑出した選手を輩出し、全国にその名を轟かせた歴史を誇っております。  そんな往年の名選手がご高齢にもかかわらず遠路、出席され悲喜交々の人間ドラマをご披露されました。


上村東京双松会々長挨拶

松江北高岩井教頭先生挨拶
松江東校栂瀬教頭先生挨拶

津森東雲会々長挨拶

 さて、会の冒頭、上村桂一郎東京双松会々長から、昨年130周年記念総会を盛大に開催できたことを喜ぶと共に文武両道の建学の理念を守りながら、母校の更なる発展に尽くして行きたいとの挨拶があり、次いで北高の岩井元康教頭先生、東高の栂瀬龍志教頭先生より、学生数の減少傾向が見られるものの両校とも勉学、スポーツ両面において良きバランスを保ちながら、全国大で健闘している旨、報告があり、本日の本題「バレー部の歴史」の紹介に移りました。

スライドによるかってのバレー部の説明

 先ず、昭和28年の第8回国民体育大会(於徳島市)の男子バレーで準々決勝まで進出した時のチーム・メンバーであった小林茂光さん(30年卒)がスライドを使って、戦前の松江中学時代からのバレー部の沿革を説明されました。

 松江中学にバレー部(排球部)が導入されたのは昭和5年で、坂上光男氏(昭和30−40年、全日本男子の監督を務める)の熱心な指導が実を結び、4年目の昭和9年、神戸市主催の全国中等学校排球選手権大会と東京都主催の全国大会で連続優勝し、その名を全国に轟かせた。


創設当初の松中排球部々誌


昭和9年全国制覇を成し遂げた松中排球部

 その後、戦争の空白期間で停滞を余儀なくされたが、昭和21年紅陵クラブ(松中卒業生・在校生の混成チーム)として復活、関西への遠征をとうして力を取り戻し、昭和22年の全日本バレー選手大会で強豪日鉄八幡(現新日本製鉄)を当時はまだ見慣れなかった前衛の4人組み替え、クイックあり、フェイントありのコンビネーションバレーで小兵揃いながら勝利し、準決勝まで駒を進めた。この時の日野精三さん(15年卒)と長岡とのコンビが特に有名になり「ネット際の魔術師」とか「名刀の切れ味」とか評された。日野さんはその後実業団チームに移られ、常にスター・プレイヤーとして華ばなしい活躍をされた。


クイック攻撃で有名になった日野(右)と長岡コンビ

   昭和24年の第4回の国民大会で今日出席されている石原道央さん(26年卒)、庄司栄さん(26年卒)達のご活躍もあって準々決勝まで進み、昭和28年の第8回国民体育大会でも本日出席されている佐藤暢秀さん(29年卒)のご活躍で準々決勝まで進んだ。 佐藤さんはその後、早稲田大学から実業団チームに移られ数々の国際試合でご活躍された。


昭和33年の第3回アジア大会の対インド戦でスパイクする佐藤さん

 さて、ここで女子バレー部に触れると、昭和24年の学制改革で県立松江高女、松江市立高女、松操高女の3高が統合され、従来のバレー部に新入学生を加えて松高女子バレー部が誕生した。苦労の末、どうにか試合に出られる9人の部員を確保した。男子チームの指導を受け、この年はなんとか上位クラスに入ることができた。この時の<合言葉は3年計画>。

 3年目の昭和26年、4・3・2の新ポジションの攻撃強化で臨み、夏と秋両方で全国大会出場を果たし、団体で初の男女並んでの入場行進が実現した。 炎天下の、すり鉢状の東京田園コロシアムの中で1回戦は勝つことができたが、翌日の2回戦では接戦の末、敗れた。でも、<合言葉は3年>を果たし、その後に続く松高女子バレー部の発展の礎を築くことができた。


昭和26年第4回全日本バレーボール高校女子選手権大会記念撮影

 以上のスライド説明の後、本日、遠路ご出席いただいた7人の往年のスター・プレイヤーから熱い思い出話が披露されましたが、当時は食糧不足の上にコートは炎天下の屋外が普通で 道具も今日のそれと較べると粗末なもので大変なご苦労をされたようですが、皆さんいまだに背筋も伸び、かくしゃくとしておられるのは若い頃の鍛錬の賜物と感じ入りました。
 このような深い歴史を誇る松高北、東両校のバレー部の今後の発展を期待したい。
 なお、スライド説明は詳細に亘りましたが、ここでは本日出席されているかってのプレーヤーが関わられた部分のみを紹介しました。

窓際テーブルの方々がかっての名プレイヤー(左から坂村令子さん、石原道央さん、庄司栄さん、、高橋精子さん、高橋庫一さん、佐藤暢秀さん、白石孝子さん)


女性第1号の坂村令子さん(25年卒)
戦後のエース石原道央さん(26年卒)

全日本チームで活躍した佐藤暢秀さん
(29年卒)
女子チーム育成3年計画に貢献した高橋精子さん(27年卒)


伝説のプレイヤー日野精三さん(15年卒)による乾杯の音頭

 懇親会に入るや早速、各テーブルを回り、8期生の存在をアッピールしながら先輩、後輩諸氏との懇談を楽しみ、最後の校歌斉唱でも我々5人が前面に立ち、声高くリードしました。以下、懇親会の様子を写真でお楽しみください。


懇親会模様


中央テーブルに陣取ってなお意気盛んな8期生


石倉義朗さん(30年卒)と歓談
今岡杲さん(28年卒)今岡宣美君ご兄弟


松高の魔女と呼ばれたかっての女性プレイヤー(皆さんスタイルがよくてお美しい)


仲睦まじい素敵なカップル加田ご夫妻(20年、29年卒)
大岩篤郎さん(42年卒)の独唱(オーソレミオ)


岩井元康北高教頭先生を囲んで


松江北高等学校校歌斉唱



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