福祉事業に携わって満4年(70歳にして起つ)


平成24年5月3日  福間三郎 
 縁あって、平成20年4月、横須賀市の障害者支援NPO法人の傘下にある大手福祉施設の所長という重責を担うことになりました。私の過去のキャリアとは全く異なる分野、しかも70歳の老体の私が果たして、職員さんや施設利用者さんから歓迎されるか、いささか不安でしたが、お人柄(?)を買われたのでしょうか、快く迎えていただき、今や就任して5年目を迎えようとしております。この4年間、ほぼ皆勤で務めに励んで来たお陰でしょうか、施設利用者さんの性格や障害の程度も今ではすっかり把握でき、彼らの父親のごとく優しくも威厳をもって振る舞い、時には叱咤激励して、彼らの社会復帰の後押しに汗を流しております。彼らは施設で自動車の微細な部品の組み立て作業を主とし、合間に新聞に挟むチラシ折り、近隣世帯へのタウン紙配り等の作業を規則正しく行ないながら、社会復帰に必要な身体のリズムの正常化訓練に励んでおります。時には気分転換にカラオケに興じたり、近場のハイキングや一泊旅行を楽しんだりもします。
 施設利用者の平均年齢は42歳、若し、その身に障害なかりせば、家庭を持ち、社会の第一線で活躍しているはずの壮年男女達です。私が観るところ、彼らは一般社会でも充分通用する能力を既に回復しているものの、社会の受け入れ態勢が整わず、足踏みしているのです。
 どんな仕事でもいい、彼等を社会活動に参加させ、働くことの喜びとそれなりの報酬を得ることの喜びを持たせたい!彼らにはその力が充分にある!と世間に理解を求める義務が私には課せられているとの自覚を深める今日この頃です。


本年2月29日付けの神奈川新聞の朝刊記事

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